独り

振り返ってばかりいた
降りしきる雨の中
立ちすくんで
首にかけた鍵を握り締めた

濡れているのは一人きり
通りすがる人たちで
僕は孤独感を増し
切り取られた空を見上げたんだ

握り締めた鍵よりも冷えた僕は
君のことを思い出していた
二度と帰らないあの部屋を
一人きりで繰り返し思い出していた